呼ばれて飛び出てざわざわ森のしまじろう

ナンパされた。

事は二週間前に遡る。

 

アキフミ(彼氏)との待ち合わせに、少々遅れそうで私は焦っていた。

くそ、こんな事ならyoutubeで大食い選手権見てるんじゃなかったよ。

 

慌てて家を飛び出し、いつもの踏切へ向かった。

開かずの踏み切り…とはよく言ったもので、私の近隣ではそう呼ばれている。

今日も全然開かなさそう。

気持ちだけが逸る。

 

その時だった。

まるで世紀末覇者の様な体格の男性×5に囲まれた。

ビリバリタンクトップ、ジーンズ、ガチムチ。影を為す視界に、なにが起きたのかと、周りを見したよね。

 

上を見上げるとにっこり優しい笑顔の男性。

 

「おねーさん、どこいくの?」

 

こ、これはッ??

 

漫画、ドラマ、アニメ、様々な場面で聞き覚えのあるフレーズ!!

しかも、このあとにくる言葉と言えば…

 

「よかったら俺らと遊ばない?」

 

はいきましたー!!

ナンパ!!!!

 

初 ナ ン パ で す ! ! !

 

私のナンパ処女は、世紀末覇者によって奪われましたッ!!

あまりに突然のことで、驚きを隠せません!!(※ちなみに、この辺りで踏切が開きました)

 

私は得意の愛想笑いで、なんとか世紀末覇者達の間を潜ったのですが…まぁ新しい影を為されたよね。

 

「えー、無視しないでよぉ〜!俺たち暇なんだよねぇ。ガ◯トご馳走するからいかない?」

 

ガヤる周りの覇者達をまとめるリーダー格の覇者。

彼氏からのラインを知らせるバイブが、指の中で震える。

 

私は少しだけ上ずりながら

「すみませっ!彼氏と約束なので!」

 

と言った。

 

…ら、周りポカーン。

したっけ瞬間爆笑。

 

「彼氏いたんだー、なんかごめんねー!行ってらっしゃい!」

 

彼らは優しい笑顔で、ビリバリタンクトップを棚引かせながら去って行きました…。

全く…人騒がせな野郎達だぜ…。

 

 

 

まぁ。遅刻しましたけどもね。