Don't feel!

約2年働いた職場を転職した。

理由は良くある、パワハラだった。

 

当時の私は『叱られるのは私の出来が悪いからだ』とか、『私のためを思って、厳しくしてくれているんだ』とばかり思っていた。

だから、教えられていないことを命令されても、教育なんだ 感謝せねば。こなせないと、私が無能だから…とばかり考えていた。

 

今になって当時の私は、上司たちによって深く洗脳されていたんだと気づかされた。

 

もっと“心に余裕のある上司”ならば、部下が間違えた行動を取る前に、予めきちんと業務内容を教えこむ。

何故なら、あとあと大きなミスをされても尻拭いが面倒になるからだ。

もちろん、自分より格上の上司から『君の指導ミスだね』と言われない為の意味もある。

 

なにより、自分が手塩にかけて育てていく部下だ。上司の一挙手一投足に一生懸命、応えようとするはずだ。

可愛くないわけがないのだ。

 

だから、真面目に教育をする気のある人間であれば『大勢の前で怒鳴るなどして、羞恥を晒させない』。例え怒鳴ったとしても『アフターケアーは欠かさない』。これが、私の思う上司像だ。

 

同じ“会社”という“ロボット”を動かす為には、沢山の歯車(人材)が必要となる。

歯車は、いかんせん壊れやすい。

 

十分な教育という名の油を注いでやり、時には羽を休めさせ、錆を取り除いてやる。愛情を与えながら歯車を扱うことで、ロボットは長く稼働出来るのだ。

 

見栄えだけの良い、中身がスカスカのロボットには誰も手は出さない。

見た目がいいロボットは歯車が落ちて、錆びてしまっても『ひとつくらいなら』とたかをくくり、気づかないふりをする。

 

今から書く私の体験談は、見栄えのいいロボットの歯車だった話。

 

 

私は二年前に内定を貰った会社へ就職した。

地元の、ごく小規模な会社。

従業員も少なく、和やかな雰囲気に惹かれ、此処で働くことを決めた。

 

最初は右も左も分からない。

キョロキョロしていれば怒られる。まず何かをしなければと、伺えば考えろと言われた。

私が新米だから優しくしてもらえないのも仕方ない、と凹むのもそこそこに、自分なりに業務へ勤しんだ。

 

初めての夏。

上司から、初めて大きな仕事を貰った。それは納涼祭の準備だった。

私は初の企画物に、終始張り切って行動。

何をやればいいですか?飾りつけは此処ですか?指示を仰ぐ。

 

『昨年のレジュメが倉庫にあるから、それ通りにやっといて〜』と、手のひらで言われた。

お祭りゴトに、暗いムードは似合わない。教えてください、の一言が上手く言えなかった私は、二つ返事でレジュメ通りに動いた。

 

そうしたら上司は怒鳴る。

 

『なにこれ?!全然違う!ほんとにレジュメ確認したの?!はぁ、これだからゆとりは…』

 

掴んでいたレジュメのファイルを勢い良く取られ、設置した飾りを全て落とされた。何度も謝ったが、聞き入れてくれなかった。

そうして上司は、他の社員と和気藹々に、昨年の雰囲気とは180度違う飾りつけを作って、思い思いに飾っていった。

 

私はその際、何をしたら良いのか分からなくなって、怖さのあまり指示も仰げなくなって、ただただモップで床掃除をしていた。

でも私はまだ気付けなかった。

私の認知が甘かったから、上司はあんなに怒ったのだ。

私が悪かったのだ。後で謝らねば。

 

モップ掃除を終えてから、もう一度謝りに行った。

上司は飾りつけが上手くいったのか機嫌良く、もう良いから。と許してくれた。

 

翌日の本番では外まで使い、沢山の露店を連ねた。

お祭りも見事なくらいの盛況っぷりで、黒字だった。

 

しかし、お祭りの後の反省会で上司は私の名を挙げ『新社会人としての動きが出来ていない、反省文を書いてきなさい』と罵った。

4月に入社したばかりの部下に大して、“新社会人としての動きが出来ていない”?

上司の口からつらつらと流れ出る針のような言葉に、私は涙をこぼす他出来なかった。

 

そしてさらに続けて『考えて行動しないでちょうだい、あなたは私たちの言うことだけやっていれば良いんだから』

 

私はハナから指示を仰いでいた。

なにをするにも、上司の言うことを遵守し二つ返事で答えてきた。

こうしたほうが効率が良いのでは?なんて大層な口は叩いていない。

 

それでも私は頑なに、私に非がある、私の責任で上司に迷惑をかけてしまっている。と思い続けた。

 

今考えると恐ろしい。

此処まで言われていて、何故信じきっていたのだろう。ゾワッとする。

 

その他業務でも、私の電話対応に難あると癖をつけてきた。

『ぶりっ子して電話対応するな、その声無性に鼻につく』と。

なので、私が電話を取っても要件を聞くことが出来ず、上司の内線へと転送していた。

 

私が1日にしていた業務は、主に掃除だった気がする。

掃除が終わると、給料泥棒・職務怠慢と怒られた。

じゃあ、私はなにをすればよかったの?

 

楽しそうにランチタイムを過ごす上司と同期を横に、私は一人でご飯を食べていた。

会話にすら入れてくれなかった。

会話に入れてくれても、『あなたはどうせ◯◯なのでしょう?』などとあしらわれ、小馬鹿にされていたので、普段から壁を作っていた。空気でいた。そうするしか、自分を守れなかった。

 

そんな会社に約二年もいた。

一年いたら、もしかしたら上司に認めて貰えるかもしれない。二年いたら仲間として、部下としてちゃんと見てくれるかもしれない。

信じて、毎日を過ごしていた。

 

 

今、パワハラで離職を考えている人。

或いは死を考えている人。

迷わずに、その場から離れて欲しい。

どうか、自分が悪いからとか、自分が辞めた末の後任がいない、まだ一年しか働いていないのに…なんて考えなくて良い。死にたい、なんて思わないで。

 

自分を守って欲しい。

いつか壊れてしまう前に、自身に優しくてしてあげて欲しい。

 

新しい職場なんて、辞めてから考えたら良い。

貯蓄がない、手持ちもないなら、日雇いをしながら探せば良い。

 

どうか、どうか、生きて欲しい。

 

私も仕事を辞めてから、モノクロの夢を見なくなった。ゲームや読書に、打ち込めるようになった。前の会社にいた頃は、何も手につかず何処にいても自分を責め続けていた。

多分、軽く鬱病だったのでは?と自己診断している。←診断結果が怖くて、病院にいけなかった。

 

頑張りすぎてる新社会人、眠れない労働者、転職は逃げ道じゃないよ。生きる道だよ。

 

これを読んでくれたあなた。

どうか、一緒に生き抜こう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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呼ばれて飛び出てざわざわ森のしまじろう

ナンパされた。

事は二週間前に遡る。

 

アキフミ(彼氏)との待ち合わせに、少々遅れそうで私は焦っていた。

くそ、こんな事ならyoutubeで大食い選手権見てるんじゃなかったよ。

 

慌てて家を飛び出し、いつもの踏切へ向かった。

開かずの踏み切り…とはよく言ったもので、私の近隣ではそう呼ばれている。

今日も全然開かなさそう。

気持ちだけが逸る。

 

その時だった。

まるで世紀末覇者の様な体格の男性×5に囲まれた。

ビリバリタンクトップ、ジーンズ、ガチムチ。影を為す視界に、なにが起きたのかと、周りを見したよね。

 

上を見上げるとにっこり優しい笑顔の男性。

 

「おねーさん、どこいくの?」

 

こ、これはッ??

 

漫画、ドラマ、アニメ、様々な場面で聞き覚えのあるフレーズ!!

しかも、このあとにくる言葉と言えば…

 

「よかったら俺らと遊ばない?」

 

はいきましたー!!

ナンパ!!!!

 

初 ナ ン パ で す ! ! !

 

私のナンパ処女は、世紀末覇者によって奪われましたッ!!

あまりに突然のことで、驚きを隠せません!!(※ちなみに、この辺りで踏切が開きました)

 

私は得意の愛想笑いで、なんとか世紀末覇者達の間を潜ったのですが…まぁ新しい影を為されたよね。

 

「えー、無視しないでよぉ〜!俺たち暇なんだよねぇ。ガ◯トご馳走するからいかない?」

 

ガヤる周りの覇者達をまとめるリーダー格の覇者。

彼氏からのラインを知らせるバイブが、指の中で震える。

 

私は少しだけ上ずりながら

「すみませっ!彼氏と約束なので!」

 

と言った。

 

…ら、周りポカーン。

したっけ瞬間爆笑。

 

「彼氏いたんだー、なんかごめんねー!行ってらっしゃい!」

 

彼らは優しい笑顔で、ビリバリタンクトップを棚引かせながら去って行きました…。

全く…人騒がせな野郎達だぜ…。

 

 

 

まぁ。遅刻しましたけどもね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼氏が逆ナンされた話って書きましたっけ

先日の話なのですが、都内某所に服を買いに行きました。
そろそろ暑くなる時期ですからね、早め早めに準備をしておこうという事で、夏服を調達しに赴いた訳です。

彼氏の家から某所まで割と近いので、電車に乗ってスイスイランラン。二人で楽しく、何買おうか何しようかで花を咲かせていました。

某所について、先にご飯を済ませようとなり、ファミレスへ。
いつも通り大好きなナポリタンにテンションも上がる上がる。
彼氏もハンバーグを食べ、満腹になり、いざ行かん御目当ての服屋へ。

早速、彼氏の夏服を調達しにいつもの店へ。
彼氏、楽しそうにお買い物。何回か試着をし、吟味したのち2点ほどお買い上げ。
ホクホクしたまま流れで私の服も見ることに。
可愛いところは無いかとキョロキョロしていると、花柄の素敵なワンピース発見。少しばかり女の子女の子した店構えだが、駄々をこねて彼氏連行。


素敵なマリンブルーと自分を投影…。
しばし悦に浸っていると、餌が来たと言わんばかりに店員登場。
しかし今回の店員は、よくいるアパレル店員ではなかった。

私と彼氏を交互に見て一言。

「お二人は、彼氏さん…と彼女さんですかぁ?」

二人でキョトン顔。
そのまま彼氏が頷く。

アパレル店員はそうなんですねぇー、と当たり障りの無い返答。
なんだか釈然としない私。

そもそも店に入って、第一声がこれ。
普通に考えてありえない。
店員なら、客を招き入れる姿勢を見せてほしい。
要は、いらっしゃいませの一言が欲しかった。

その後も店内をぐるっと回る。
アパレル店員もついて回る。
思い過ごしも、まぁ多少はあるかも知れないと素知らぬふりを続け、手頃な服を見つけた。


試着室を借りて試していると、外から先ほどのアパレル店員…そして彼の声がした。

「今日はお買い物なんですかぁ?」

「そうですね、夏服を見に来ました」

そんな様な会話をしている。

“怪しい箇所”は無いか、服と会話を交互に挟む。
するとアパレル店員に動きが。

「おいくつなんですか?お住まいは?」

はぁ?(´・ω・`)


ちょっと待て、公私混同するな。
私と彼氏は休みで此処に来ているが、お前は仕事だろっ!
仕事しろ!(´・ω・`)
口調からして間違いない、これは狙っている。

こちとら何年、女やってっと思ってんだ。
試着して、値段も着心地もちょうど良く、ぜひ買いたい品物だったが胸糞悪くなり、そのまま返して帰ってきてしまった。

人の彼氏に色目つけるなアホゥ者!

あわよくば、とか思ってたらまじむかつく。

帰り際に、また来てくださいね♡を彼氏に向けて言っていたのを私は聞き逃さなかったぞ。私を眼中に入れず、彼だけを真っ直ぐ見て。

ただ唯一の救いもあった。
彼氏ってば、試着室に潜ってる以外、私の手をずっと握ってくれていた。

最初は、彼氏の知り合いなのかと思った。だから少しばかり茶化されてるのかと。
だけど、否定された。違うって。

確かに、彼女の贔屓目を考慮しても私の彼氏は結構いい男。
少なからず、モテる方ではある。
イケメン、ではない。いい男なのだ。

私の中のイケメンの定義は、流行りにキチンと乗れており、かつ、今時の雰囲気を醸し出せている人だ。

うちの彼氏は違う。
流行りにこそ乗らない…いや、乗れないが、雰囲気は男前でとても優しく気遣いもできる。顔ももちろん素敵だが、彼の一番の長所は、気遣いの出来る心の余裕さだ。
少なくとも私はかっこいいだけじゃ、惚れらんない。うん。

だから、あのアパレル店員は分かってないなぁ♡
顔だけで彼を判断するなんて、2億年早いwwwwwww

絶対渡さないもんねー、って彼氏言ったら俺は物じゃねえってキレられました。ちゃんちゃん。

クリスマス!

イブに彼氏と水道橋のトーキョードームシティ行って、イルミネーションを見てきたよ。久しぶりの彼氏彼女っぽいことした。
あまりにもエアリーな存在だから、忘れてたよ。彼氏彼女。

そんでね、トウキョドームシティの中に駄菓子屋さんがあって。
どうしても行きたい、行かねばならぬという旨を伝えると、若干引き気味の彼氏が渋々頷いてくれた。

いざ店に入り、あらゆる物を物色。
懐かしー、懐かしー、連発。
ラーメンのスナック菓子やら、謎の美味しい棒など。私は様々な菓子を、片っ端からカゴに突っ込んだ。
呆れた彼は、駄菓子屋前のUFOキャッチャーで運だめしなう。

そして見つけてしまった。
たべっこどうぶつ。
幼な子時代、大変世話になったビスケットである。
しかも、これ、ちょい進化遂げてて、

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厚焼き…だと!?
しかもチョコ付いてる。

買うしか無い。

子供を押しのけて、たべっこどうぶつをカゴに入れた。

それから、3日後。
仕事の休憩中に小腹が空く。
たべっこどうぶつの存在を思い出し、封を開けてみた。

袋の中には、小さめのビスケットがころころ入っている。
ふんふん、なつかしいこの感じ。
ひとつつまんでみる。

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なんじゃこりゃ…

なんの動物!?
裏返すと

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うさぎ。


!?????

たべっこどうぶつって、こんなにハードな出題してきましたっけ。
これ食べるのって、そこそこなバブちゃん'sだと思うんだけど。


その他にも

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象とか。

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コンゴウインコとか。

バカなのだろうか。
百歩譲ってスプラトゥーンっぽいな。とは思ってしまったけど。


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最終段階。

私は無言で食べました。







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食い過ぎホリディ

ロッテリアで、エビカツバーガーとポテト、ウーロン茶を頼んだ。
今、原宿のロッテリアでは、ポテト増量セールを実施している。店員さんが、すごい剣幕で勧めてくれる為、思わずLにしてしまった。断れない性格って大変だ。

本題に移る。
今日、めっちゃ食べすぎている。

原宿ロッテリアの、エビカツバーガーセットから始まり、現在23時。何故か今は、バーミヤンの餃子を片手に打っている。
5つである。
孤独のグルメのゴロさんがやっていた、酢と胡椒に付ける食べ方に、個人的に凄くハマってしまった。酢ごく…(さりげないぶっ込み)

餃子5つの少し前に、家にたまたまあったコンビニ弁当の、おかずだけ食べた。 何故、おかずのみかというと、その前にパスタを食べたのだ。
カニのアメリカンソーススパゲティだ。セブンイレブン産である。
アメリケーヌソースとも言うらしい。

そのアメリケーヌを食べたあとだったので、軽くカロリーが気になった。
でも、食べたい!という衝動が抑えきれず、おかずのみだが手を伸ばしてしまった。

ていうかその少し前に、ドーナツを1つ食べた。

その数時間前には、草餅とくず餅を数個。

…そしてロッテリアまで遡る。

話を要約すると、
エビカツバーガーセット(ポテトL)
餅系数個
こってりドーナツ
おかずと餃子

…スゴイカロリー(片言)!!!


食べても食べても満足しない一日って、ありませんか?
私は月一くらいのスパンでやってくる。
まー多分、もうすぐ生理だからというのも有るんだけど。

明日起きたら、胃もたれコースですわこれ。でも、適度に膨れた腹が心地いい。

あぁ、体重計に乗るのが怖いよぉ〜。


そういえば、今日友人と原宿に行ったんです。
少し買い物して、ロッテリア行って、じゃー次どこ行く?ってなった時、彼女の携帯が鳴りました。

「ごめんシェリー、解散。仕事入った」

「え、やだよ。まだ私の行きたい店見てない」

「13時12分の山手乗らないと死ぬ。解散」

ということで、私を置いてけぼりに、彼女はガニ股で山手に走って行きました。

私の家は山手沿いじゃないので、千代田線まで歩いて向かう。
ちくしょう、見たい冬物あったのに。(意外と小心者なので、一人じゃ店見れない)

とぼとぼ歩いてたら、知らない人に肩叩かれる。
何か落としたかと、すごい速さで振り返った。

したら、結構イケメンのお兄さん。
服装が珍しい感じの。なんか太ももあたりに、バックルとか鎖とかついてる。

「すみません。ちょっとお話し宜しいですか?」

「はい?」

カットモデルかと思ったんよ。
そしたらね、スカウトマンらしくて、芸能界に興味はないかと聞かれました。

私はとりあえず狼狽える。

だってこいつ絶対詐欺師だよ。
テレビで見たことあるスカウトマンって、もっとスーツ着てて黒髪だもん!
金髪バックルじゃないもん!怖い!!


うちのプロダクション、まだ小さいけど、ガンガン売り出してくから、遠慮なく頼って!とか、君にはオーラがある、俺には分かる!とかなんとかって、色々吹き込まれ、チキンハート、もう堪らなくなったので、私、話の途中で何故か逃走。
千代田線に乗り込む。

だめだよ、名刺出さなかったし、何より※レイパーだったらどうすんのさ!怖いよ、原宿。辛いよ原宿。

(※レイパー…ゴーカンマの事)



何より、遺憾だったのは高校生?って聞かれたことです。

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はずれ美容師とは


自宅から自転車を漕いで、5分弱。

以前から、ずっと気になっていた美容室へかかる事にした。

電話とか、実はちょっと苦手なので、大親友のホットペッパービューティーに力を借り、予約を取った。


いつも仲介役になってくれて、本当に助かっているよ。サンキューマイフレンド。


駐輪場に自転車を停め、目的地の前。

…店の名前が読めない。イタリア語か、あるいはスペイン語か。

どちらにせよ、脳みそが毛糸玉で出来ている私には、些か難しかったので、店名は分からなかった。頭文字はどことなくFっぽいのだが。

分からないので、バーバーFと呼ぶ事にした。


バーバーFに入る。


すると、少しくねっとした細身の全身黒男が「射ー精ー!ごょーくのかぁえしょかー??」

と聞いてくる。

なんだこのチリパー…。思わず、ん?と聞き返してしまった。


「ご予約の!方でしょうか!」


なんだ、しゃべれるのか。


「はい、15時30分から予約しているシェリーです」


そしたらチリパー、こくこくっと頷いて「こぉちらぇドゾー!」

どうやら気をぬくと喋れなくなる病らしい。


お馴染みの椅子に座ると、チリパーが無造作に私の髪を鷲掴む。ちょっと痛いが、相手はプロなのだ。我慢する。

そして、片手間に雑誌?をベラララッと捲り「本日はいかがされますぅ?」と間延びした声で尋ねた。

私はその声を待っていた。


美容師と話すことを極力避けるため(緊張するから)、画像を持ってきたのだ。


「こんな感じにお願いします。」


出したのは、ショートボブの、可愛いお姉さんが微笑む画像だ。


チリパーはその画像をみるなり、はんはんはんと相槌を打つ。分かってんだか分かってないんだか、凄く気になるが、相手はプロなのだ。プロに任せておけば、失敗は無いのだ。

チリパーは、私をシャンプー台に案内した。シャンプー台の横には、栗原類ピース又吉を足して2で割って、少し殴ったような顔の、アンニュイ兄貴が立っている。

「リョークンお願いね〜」


チリパーに促されたリョークン(栗原×ピース又吉)はこくりと頷く。

ていうか、リョークン若干寝てません…?目が開いていないでは無いか。

こういう目の人だったごめんなさい、のレベルで細いぞ。


「じゃ、椅子倒しますね」

リョークンがウィインと椅子を倒した。

私も椅子の動きに合わせて、靠れる。

いつも思うのだが、この椅子の動きになかなか合わせられない。毎回、椅子の早さに付いてこれず腹筋が攣る。

今回は幸いにして、攣ることは無かったが、速さにはやっぱり付いてこれなかった。

顔の上にガーゼ状の何かを乗せてもらい、シャンプー開始。

「かゆいところはないですか」



…うーん。痒いところってか。

あんまりしゃかしゃかしてくれないから、程よく頭全部かゆい。

普通、もう少し指の腹を立てて、満遍なくしゃかしゃかしてくれると思うのだが、彼はどっちかっていうと…撫でてる…?うん、撫でてる。撫で洗い。

思ったほど泡もたってないし。

なので大丈夫です、とだけ答えた。

撫で洗いも終わり、不完全燃焼のまま、チリパーが待つカット台へ。

「おきゃりなさーい!」


やたらテンションが高い。

ほくそ笑みながら席に着く。


「じゃー切っていきゃーすねー」


ハサミが、私のロングヘアに入る。

ショキ…っと音を発てて、髪の毛は地に落ちた。

さようなら。惜別を惜しみつつ、私は雑誌に目を通す。

ふむふむ、最近は塩トマトが流行っているのだな。記事に感心しながら、どんどん雑誌の世界に溶けて行く。 

すると背後から、「あ、塩トマトもいぃーすけど、レモンとかもいぃーすよ♪」

この野郎、雑誌のページを覗き込んできたではないか!!しかも手が止まっている。早く切れと急かす。(実際、はははと苦笑し次ページを捲ったら作業再開し始めた)

私が、貯金やら金のページに目を通していると、背後からお決まりの文句が飛び出す。


「きょぉーゎ、お仕事おゃすみっすかぁー?」

「あ、はい、そうです…」

「ふふっいいっすねぇー!オレもたまにゎ休みたいんだけどにぇー」


ふぅ、とため息まじりに返された。

私は少しだけ気を使い、寒くなってきたので体調には気をつけてくださいね、と答えた。

したっけ、鏡越しに見える向こうの表情(かお)が一気に明るみ、はじける笑顔になった。

「おきゃーくさんに、そゆ風にきづかっていちゃーけると、本当うれしっす!ふふふっ」

満面の笑み。時々ちらつく銀歯が気になる。するとチリパー続けて言う。

「休みの日は大体、メダカの水質管理してっから、休めないんすよねぇ」


…ん?!

「メダカの…水質ですか?」

「あぃー、そうなんすよぉ…。メダカってぇースゴォークナイーヴな生き物だから、ほっとくとすぐ死んじゃうんですっ」

チリパーは、ちょっと待っててと言い、席を立つ。かと思えば片手にスマフォを持ち、ある画像を私に見せた。


「これ、うちのめだかデスゥ」

差し出したのは、メダカが数匹写った写真。水草に揺られているのか、多少ブレている。

「ちゅーもくしてほしいのは、ここ!」


片手で画像をアップにする。水草に、とびっ子のような、数の子のような。つぶつぶが無数についてる。

「よぉーやくタマゴがうまれたんすぅよぉーーーーー!!!」


凄く嬉しそうに話す。私も思わず、はぁ、と微笑。


それからしばらくの間、メダカについて熱く語られた。時々止まる手に、怒りを覚えながらじっと耐える。

そして出来上がった髪型は、日本人形のような仕上がりだった。


2度と行かないと決めた。

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